あなたは知っていますか?個人型確定拠出年金にかかる特別法人税について

個人型確定拠出年金が、2017年1月から専業主婦や公務員、企業年金に加入している人にも加入できるようになります。

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対象者が広がるということ、政府が薦める制度ということ、証券会社が顧客獲得のために手数料の引き下げなどがあり、コラムや経済誌に取り上げられることも多くなりました。

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参考 SBI証券の個人型確定拠出年金で加入・移換時手数料、口座管理手数料の無料キャンペーンを実施

30代後半になると、将来の老後資金の準備をそろそろ始めようかと思っていたので、得する制度であれば利用したいと考えてはいます。

個人型確定拠出年金制度は、老後資金を自分で運用しなければいけませんが、税控除が大きいので、税控除目的で加入して運用せずに定期預金や保険などで運用するという保守的な方も多くいらっしゃいます。

実際、個人型確定拠出年金を利用している方の6割は定期預金などの安全資産に配分しているらしく、税控除だけでも大きなメリットだと考えます。

しかし、わたしの中で個人型確定拠出年金の加入に際してネックになっていることの1つとして、特別法人税の存在があります。

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あまり知られていない個人型確定拠出年金の特別法人税について

メディアはメリットの方を強調するので、デメリットについてもきちんと調べておかなければいけません。

個人型確定拠出年金は基本的に60歳まで引き出すことができませんから、長期で資金が固定されてしまいます。

それに加えて気になっているのが特別法人税の存在です。

現在は個人型確定拠出年金に加入しても特別法人税は凍結されているので税金は発生しないのですが、もし凍結解除になった場合は、運用資産に対して1.173%の税金がかかります

特別法人税とは、厚生年金基金や確定拠出年金の運用資産全体に掛けられる税金で、実際の年金給付時まで課税を繰り延べる性質があり、遅延利息に相当するものとして、年金積立金に対して特別法人税が課税されます。

年間の拠出額ではなく、運用資産全体にかかってくるので1.173%の税率はかなり重い存在です。

例えば、企業型年金のないサラリーマンの掛け金上限の273,000円を拠出た場合(ざっくりと計算しますよ)

1年目 273,000円×1.173%=3,202円

10年目 2,730,000円×1.173%=32,020円

20年目 5,360,000円×1.173%=62,872円

特別法人税は1年間の拠出額に対してかかるわけではなく、運用資産全体に対して税金がかかるので、積立期間が長くなり運用資金が大きくなればなるほど負担が大きくなります。

逆に、個人型確定拠出年金の繰延・節税効果は年間どれくらいかというと、(毎月23,000円拠出した場合の年収別)

年収 繰延・節税効果(年間)
300万円 4万1400円
500万円 5万5200円
800万円 8万2800円
1000万円 9万1080円

もし、特別法人税が解除されて運用資金に1.173%の税金がかかった場合は、個人型確定拠出年金の最大のメリットである税金の繰延・節税効果はかなり相殺されてしまうことになります。

例えば、1年定期で2%以上の金利がつくような状況下であれば資産に対して1.173%の税金でも資産は目減りしませんが、現在のように定期預金金利が0.01%の低金利ではこの特別法人税の税率は高いというのが率直な感想です。

個人型確定拠出年金の特別法人税の行方

個人型確定拠出年金の特別法人税は、現在凍結されており凍結期間終了は2017年3月までとなっています。

2000年から特別法人税は凍結されていて、個人型確定拠出年金がはじまったのが2001年なので、今まで個人型確定拠出年金に特別法人税がかかったことは1度もありません。

経団連が出している、「平成29年度税制改正に関する提言」の年金税制に関する記述を見てみると

(1) 退職年金等積立金に係る特別法人税の廃止

公的年金の給付水準がマクロ経済スライドの発動に伴い低下するなかで、老後の所得確保を図る観点から、企業年金の普及・拡大がますます重要となる。その観点から、退職年金等の積立金に係る特別法人税が、2016年度末で課税の凍結期限を迎えるが、課税の再開などはあってはならない。企業年金の拡充の方向性とも逆行するものであり、国際的にも稀な税であることから、退職年金等の積立金に係る特別法人税は速やかに廃止すべきである

(2) 確定拠出年金(DC)における制度の検討

年金の運用においても、中長期的な投資による資産形成を支援すべく、確定拠出年金(DC)の拡大・利便性の向上を図ることが重要である。とりわけ、わが国の将来を担う若い世代を中心として、預金等からより積極的な資産形成を行うよう、様々な施策を検討すべきである。これらの施策により、わが国の資本市場を活性化させることが期待できる。

その観点から、確定拠出年金(DC)については、拠出限度額の大幅な引上げ、中途引き出し要件の見直しなどを実施すべきである

このように、経団連は特別法人税の撤廃を求めていますし、確定拠出年金についての中途引き出し用件の見直しに関しては、激しく同意するところです。

また、全国銀行協会の平成29年度税制改正に関する要望にも

少子高齢化が進展するなか、自助努力による老後生活の維持向上を図る観点から、公的年金を補完するものとして、確定拠出年金の果たす役割の重要性が高まっている。欧米における同種の年金と同様、拠出時・運用時非課税、給付時課税を基本とする十分な税制上の措置を講じ、国際的に見劣りしない制度とする観点から、平成29年3月まで課税が停止されている退職年金等積立金に対する特別法人税を撤廃すること、少なくとも課税の停止を延長することを要望する

このように、経団連や銀行などは、確定拠出年金にかかる特別法人税の凍結延長もしくは撤廃を要望しており、今後政府で作られる平成29年度の税制改正大綱がどのようになるかは注目したいところです。

雑感

個人型確定拠出年金にかかる特別法人税については、「低金利なので今後も凍結されるのではないか」といった楽観的な見方をする方もいらっしゃいます。

けれども、年金という性質上、60歳まで引き出せない流動性の低い資産だということ、長期間運用する間に税制が変わる可能性があることなどはリスクの1つとして認識しておく必要があるのではないでしょうか。

確定拠出年金にかかる特別法人税が廃止になれば、個人型確定拠出年金の税控除は大きく、長期間税金を繰り延べでき、その分現役時代に利用できる資金が増えることになりますので利用したいと考えます。

今後の行方に注視したいと思います。

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